東京ビックサイトで開かれた「JFEX第4回国際食品・飲料商談Week(2024年6月19~21日)」では「韓国館」として、韓国の食品業者各社がブースを出展しました。
今回は京畿道利川市・坡州市、江原特別自治道(江原道)ほかが参加しましたが、ここでは江原特別自治道のコーナーから、気になった商品をピックアップしてお伝えします。
江原特別自治道では現在輸入されている食品会社1社と、日本未進出の会社のいくつかがブースを出展し、日本のバイヤーたちに紹介しました。
日本に未進出ではあるものの、韓国で販売されている商品としてご紹介したいと思います。
もちもちとうもろこしパン(찰옥수수빵)- 春川・シンシンベーカリー(싱싱베이커리)
韓国でよく間食として食べられるとうもろこしは日本で一般的なとうもころしとは異なり、モチモチしたタイプの「チャルオクスス(찰옥수수)」が広く食されています。
チャルオクスス(とうもろこし)の生産で有名な江原道・春川のシンシンベーカリーでは、とうもろこしで作った生地をアメリカやベトナム、シンガポールなど海外に輸出を開始しており、今後日本にも輸出を進めていきたいとのことです。
生地はいろいろな形で使うことができ、韓国の屋台スイーツのひとつワッフル焼き機に入れて焼いたり、たい焼きの中身として餡と生地を1対1で混ぜて使ったり、といった様々な活用ができるとのこと。とうもろこしは時間が立つと固くなるので、固くならないようにするのは独自のノウハウだそう。
試食してみるとモチモチした食感で、甘さは少々控えめな印象。現在は春川や旌善などで販売されており、旅行客も買っていくとのこと。秋には新沙カロスキルにも店がオープンするそうです。
大根の葉を使用したナムル入りビビンバソース-麟蹄(인제)・山菜満(산채만)株式会社
江原道麟蹄(インジェ)郡の山菜満(サンチェマン)株式会社は、大根の葉を使用したナムル入りのビビンパソースを輸出商品として作っています。ご飯に混ぜるだけで簡単にナムルビビンバを味わえるというものです。
大根の風味が感じられるものと、コチュジャンなどでピリ辛にしたタイプなど3種類があります。ピリ辛でも辛さはそこまでではなく、美味しく味わえると思います。野菜が手軽にとれることも魅力のひとつだといえるでしょう。
韓国国内では弁当チェーン店の具材としても使用されているそうですが、日本ではこのようなパッケージに入れて、そのものを商品として販売してもよいといいます。ナムルが50%、ソースが50%の割合で入っており、会社の代表は「夏などで暑く火を使う料理をしたくないときでも、ご飯に簡単に混ぜて食べられるので、主婦にもよいと思う」と話していました。
ゴーヤを使用したサプリメント-鉄原・CW&Bファーム
鉄原・CW&Bファームではゴーヤ(여주)を使用したサプリメントを製造・販売しており、日本への輸出を視野に入れています。
ゴーヤは日本では炒め物にして食べる機会が近年増えましたが、韓国ではスーパーや市場などであまり見ることがない食材です。
CW&Bファームでは自社でゴーヤを生産し、このようなサプリメントとして自社工場にて加工、さらに販売も行っている、とのこと。
ゴーヤのサプリというと、日本で販売するには一種の変わり種商品といえそうですが、珍しさから一度買って見たくなるかもしれません。
自然環境のよい地域で作られた低塩・3か月維持可能なキムチ-寧越(영월)・ソムシガ(솜씨가)
江原道・寧越郡のソムシガ(솜씨가)というキムチ製造業者では、新鮮な空気を出したり入れたりすることで、3か月間維持管理可能なキムチを生産しているとのことです。
同社によれば、独自のパッケージの中に入ったキムチは低塩度であり、空気もよく水も綺麗な自然環境が良い場所であり小説「雪国」のようなイメージの場所とのことで、さらにアメリカのアジア食品スーパーHマートでもすでに販売されているとのことです。
キムチは各社から販売されていますが、美味しいキムチは日々求められていると思うので、キムチ輸入を考えている方は、同社のキムチも選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
「ヤンヤンの農夫」など江原道食品を輸入・販売するHARUKO
その他には以前にもご紹介した「ヤンヤンの農夫」のフリーズドライや、ナムルビビンパのソースを輸入・販売するHARUKOによる食品の展示がありました。
商品は伊勢丹でも販売されているといい、江原道の山菜を使った加工食品が一定の価値をもって市場に出回っているといえます。また楽天市場でも「江原道の食品」として販売されており、そのなかでも高評価の商品が多いようです。
※詳しくは以前の記事をご覧ください。
江原道の特色が感じられる商品が勢ぞろい
とうもろこし、自社栽培のゴーヤ、大根の葉、環境の良い場所で作られたキムチなど江原道の農村ならではの特色がある商品が並んでいました。韓国・江原道に一度は出かけてみると、美味しさだけでなく、その雰囲気を感じながら楽しめることになるはずです。
さてこの展示会のなかで、とある出展者からは「円安が続いており、為替を何とかしてほしい。輸入しても価格が合わず、値上げするのは自由だが、30%・40%も上げたら売れない」という切実な声も聞かれました。
韓国でも日々物価が高騰しており、今や韓国商品は決して安いものとはいえないなか、韓国の地方の香り漂う美味しい食品が日本に継続して入ってこれるのか、という今後の動向が気になるところです。